「和医大を受験したいけど、どんな大学なんだろう?」とお悩みではないでしょうか。
ネットで調べてみても古い情報しかなかったり、詳しくなかったりします。
この記事では現役和医大生の京学館講師が和歌山県立医科大学医学部に合格するための情報を徹底解説します!
藤崎 蒼司 / FUJISAKI SOSHI
高3最後の記述模試で全医学部E判定、共通テスト後の判定も全医学部でE判定の崖っぷちからしっかりとした戦略を立てたことで和医大医学部に現役合格。医学部受験に最も重要だといわれる英語が高3まで伸び悩んだところから急成長したため英語の指導に自信あり。大手個別指導塾、集団授業塾、家庭教師と様々な業態で多くの生徒たちへ指導を行った経験あり。指導理念に共感し京学館へ。
和歌山県立医科大学ってどんな大学?
和歌山県立医科大学(通称和医大)は医学部、保健看護学部、薬学部を有する医療系総合大学です。
和医大ってどこにあるの?
医学部の学生は、1年次は紀三井寺駅から徒歩10分の三葛キャンパス、2〜6年次は大学病院の隣にある紀三井寺キャンパスで勉学に励みます。和歌山市の中心駅である和歌山駅から2駅しか離れていないので地方の医学部にしてはかなり便利です。
和歌山と聞くと県外の人たちは「不便そう」とか「大阪から遠い」とネガティブなイメージを感じるかもしれませんが、「天王寺駅」から「和歌山駅」まで快速で1時間程度、特急で40分程度と意外に悪くないアクセスなんですよ!車をもつ学生も多いので私も大阪までよくドライブしてます(笑)。意外に遊びには困らないかもですね!
和医大の医学部って何人入れるの?
医学部の募集人員は100人です。
選抜方式は一般選抜の他に学校推薦型選抜がありますが、詳しくは以下の記事で紹介しています。
医学部の一般選抜は、3つの枠に別れています。すべての枠について和歌山県内外問わずに受験が可能です。卒業後の働く場所に制限のない「一般枠」、和歌山県の指定する医療機関で最低9年間働く必要がある「県民医療枠A」、和歌山県の指定する医療機関で産科、小児科、精神科のいずれかの医師として最低9年間働く必要がある「県民医療枠C」があります。定員はそれぞれ64名程度、10名程度、2名程度です。
一般枠 | 県民医療枠A | 県民医療枠C | |
---|---|---|---|
卒業後の勤務先制約 | なし | あり | あり |
指定勤務場所・期間 | 和歌山県指定の医療機関・9年間 | 県指定の医療機関で産科、小児科、精神科のいずれか・9年間 | |
募集人数 | 64名 | 10名 | 2名 |
ちなみに和医大の入試には第一段階選抜(いわゆる足きり)が存在します。これに関してはまた別の記事で説明しますね!
共通テストと2次試験、どれだけ取れば受かる?
では和医大の入試では実際に何点取れば受かるのでしょうか。
受験前の皆さんは得意科目や苦手科目と相談しながら、共通テスト後で思うように点が取れなかった皆さんは2次試験でどれだけ点数を取ればよいのかを一緒に考えていきましょう!
和医大の入試配点は?
和医大の入試の配点は以下のようになっています。
国語 | 社会 | 数学 | 理科 | 英語 | 情報 | 計 | |
共通テスト | 100 | 50 | 100 | 150 | 150 | 50 | 600 |
2次試験 | 250 | 250 | 200 | 700 | |||
合計 | 100 | 50 | 350 | 400 | 350 | 50 | 1300 |
ポイント1:「公共」では受験不可
社会は、「地理総合・地理探求」「歴史総合・日本史探求」「歴史総合・世界史探求」「公共・倫理」「公共・政治経済」からの選択です。
「公共」「地理総合」「歴史総合」での受験はできないので注意しておきましょう。
ポイント2:情報もしっかり勉強しておく
令和7年度から導入される「情報」もしっかり50点分含まれるので、他の科目と比べて手薄になりがちですがしっかりと点数を取っておきましょう。
合格最低点は何点なの?
令和2年度から6年度までの合格最低点は以下のようになってます。
6年度 | 5年度 | 4年度 | 3年度 | 2年度 | |
一般枠 | 834.25 | 809.63 | 746.50 | 797.88 | 753.00 |
県民医療枠A | 783.88 | 801.38 | × | × | × |
共通テストが難化した令和4年度とセンター試験最後の年の令和2年度は合格最低点が下がっていますが、概ね800点前後(62%)の点数で合格できます。
県民医療枠Aの最低点は令和5年度から公開されています。県民医療枠Cに関しては、募集人員の少なさから公開されていません。
これは、現役和医大生の感覚ですが「県民医療枠Aと一般枠のレベル差はあまりない」と感じます。令和6年度は一般枠と県民医療枠Aで50点離れていますが、県民医療枠Aは「県民医療枠Aの合格最低点に達しなくても、一般枠でもう一度合否判定される」という利点があるため、安全志向を持った受験生が受けるケースが多く、かえってレベル差が生まれていないという特徴があります。
受験生の皆さんは「受かりやすく安全な道」を選ぶか「9年間和歌山での勤務を拘束されない道」を選ぶのかをよく考えましょう。
県民医療枠に関することはまた別の記事で紹介します!
どういう戦略をとれば受かる?
ここまで、合格最低点について話してきました。では実際にどういった戦略で合格を目指していけばよいのでしょうか。
和医大合格戦略1:共通テストで85%以上取る!
合格最低点は例年1300点中約800点で62%の得点で合格できるわけです。しかし、この後にも説明しますが和医大の2次試験はかなり難易度が高いので、京学館は共通テストでしっかり点数を取るべきだと考えています。具体的には共通テストで85%の得点を目指します。すると、2次試験で約42%の得点で合格点に達することができます。
共通テストでしっかりと得点できていれば2次試験の際に少しだけ楽な気持ちで受験もできますからおすすめです。やはり2次試験の本番はかなり緊張します。共通テストのときも緊張はしますが、もう後がない2次試験は比べ物にならないくらい緊張する人が多いです。
ですから少しでも楽な気持ちで受験できるように共通テストでしっかりとした得点を取っておきましょう。
和医大合格戦略2:共通テストか2次試験かに絞った勉強はNG
数学・理科・英語の配点が共通テストと2次試験を合わせると1300点中1100点あり、かなり大きいことがわかります。これらの科目に不安があると合格がかなり心配になってくるのでしっかりと対策をしておきましょう。
共通テストで85%を得点する勉強をしていく中で、2次試験に対する基礎力を身につけてほしいと考えます。
確かに数学は共通テストにおいて数Ⅲが出題されませんが、実は和医大の2次試験で出題されるのはほとんどが共通テストまでの範囲です。共通テストまでの範囲を勉強する中で難解な2次試験に対する基礎力を身につけておきましょう。
英語も数学と似ています。共通テストで基本的に求められる英語の力は精読力よりも速読力、そして全体を把握する能力です。2次試験ではこの能力に加えてしっかりとした精読する必要があるわけですから、共通テストでの対策が無駄になることは決してありません。
和医大の2次試験はどんな問題が出るの?
「〜医科大学」はその他の大学と比べてかなり難易度の高い問題が出題されます。これは、レベルの高い医学部受験生のみを選抜する目的で問題を作成するからです。
和医大には令和3年度に薬学部が新設されましたが、この例にもれずかなり難易度の高い問題が出題されます。そのため、早め早めの対策が必要になって来ることを頭に入れておきましょう!まあ、私は共通テスト後に志望校を和医大にしたので1か月しかなかったんですけどね(笑)。
では、各科目どのような問題が出題されるのかを見ていきましょう。
英語は英作文がカギ!
試験時間は120分で大問は4つの出題となっています。
和医大の英語を一言で表すなら「京大っぽい」これにつきます。高校生の時にいろいろな大学の問題を見てきた私と、京大出身の塾長とで問題を見ていて結論はこれに行きつきました(笑)。つまりかなり難易度が高いということです。難易度のわりに解答時間も少し短く感じるので、過去問を通して時間配分の練習をしておきましょう。
長文問題の出題のされ方としてほとんどが和文英訳と内容説明の問題になるので、しっかりとした記述の対策が必要になります。また、物語文が出題されているところが珍しいですね。
表題にもある通り、英作文が得点のカギになってきます。現役生は特に手薄になりがちですが、正しい勉強をしていれば必ず点数が取れる分野ですので、早めにしっかりとした対策をしてほしいと思います。
例年の問題の構成は以下のようになっています。
1.評論文(理系・医学系)
2.評論文(哲学系)
3.物語文
4.和文英訳
現役和医大生だからこそのコメントになるのですが、
実は和医大のアドミッションポリシーに自然科学と人文・社会科学に対する理解が求められる旨の記載があります。ですから、大問1と2の出題されるテーマが大きく変わることはないと考えられます。
数学は複素数平面と整数問題の克服を!
大問4つで120分と、大問数と時間だけ見れば標準レベルのように感じます。薬学部新設された令和3年度から少しだけ難易度が下がったと感じられますが、依然として難しめといえるでしょう。ぱっと見で解けない問題が多い印象です。しっかりと思考し適切な記述を行うことが求められます。
傾向としては、複素数平面と整数問題の出題頻度が高いです。複素数平面はその他の問題と比べると典型問題が多く難易度も低めなのでしっかりと対策し得点しておきたいです。
また、これは現役和医大生だからこそのコメントですが、
和医大の数学の先生は解答の記述の仕方にかなり厳しめです。日本語のほとんどない解答や数学の解答として正しい日本語の使い方のできていない解答は容赦なく減点されると思われます。記述解答の練習は厳しめに必ず行っておきましょう。
化学は有機化学が重め!
理科は2科目で150分の出題となっています。
化学では基本的に大問3つの出題です。令和6年度では大問2つの出題となっていました。
難易度は薬学部が新設された令和3年度から少し上がってやや難しい程度だと感じられます。これは薬学部が新設されたことに加えて、試験時間が120分から150分に延長されたことも原因であると考えられます。
傾向としては有機化学からの出題がかなり多くなっています。ただ、有機化学からの出題と思わせておきながら理論化学に関しても聞かれていることがあるので有機化学の問題を中心に理論化学に対しても幅広い知識を身につけておく必要があります。無機化学からの出題は少なくなっています。
またまた、ここで現役和医大生だからこそのコメントのコーナーです(笑)。
和医大の化学の教授の専門分野はタンパク質であるからこそ有機化学からの出題が多くなっているのだと思われます。他の大学ではあまり出題されない酵素反応などもしっかり学習しておく必要があるでしょう。また、入試問題が薬学部生にもつくられるようになったので有機化学からの出題が多い傾向は今後も続くと考えられます。(薬学部では大学で有機化学を多く学ぶから)
物理は力学でしっかり得点を!原子もでるかも?
物理では大問3つの出題がされています。
力学と電磁気の出題は必ずされ、それに加えてもう1テーマが波動、熱力学、原子からの出題となっています。難易度としてはやや難しい程度です。
出題のされ方として文章中の空所を補充する形の記述問題がほとんどになってます。グラフを描くような描図問題も出題されることがあるので日ごろから意識しておきましょう。力学分野の問題は出題されている内容がかなり典型的であるのでしっかり得点を取ってほしいと思います。
お待たせしました、現役和医大生だからこそのコメントコーナー!
和医大の物理教室は原子の研究を主なテーマとして行っています。だからこそほかの大学では出題頻度の少ない原子分野がしばしば出題されるのだと考えられます。
生物は論述対策を早めに!
生物では大問3つの出題がされています。薬学部が新設される前年の令和2年度までは大問4つの出題となっていました。難易度としては標準的からやや難しい程度のものがほとんどですが、1年に1題ほど難易度の高いものも出題されています。
問題の傾向としては幅広い分野での出題がされています。医学生向けだからこそと思われますが生殖・発生や遺伝からの出題が多いです。また植物に関する問題も出題されています。
出題のされ方として記述式がほとんどで、近年は計算問題の出題頻度が高くなっています。また、論述形式の比重が大きくその難易度も少し高めであるため日ごろから対策しておくことが必要になります。字数制限がないため、解答用紙と模範解答を見比べてどの程度の記述量が必要になるかを早めに把握しておくべきです。
この記事最後の現役和医大生だからこそのコメントコーナーです!
出題されている内容と似た内容を大学で学んだな〜という印象を受けました。特に遺伝に関しては1回生、2回生で2年間かけて学ぶ内容だったのでそれだけ受験生にも聞いておきたい内容なのだと考えられます。ただ、令和6年度で和医大の生物学教室の教授が退官されたので問題の出題傾向がすこし変わる可能性があることに注意をしておいてください。
京学館の和医大対策
では実際に京学館では医学部合格にむけた勉強をどのように行っているのかを紹介しましょう!
和医大特化の個別カリキュラムを作成!
多くの塾で個別カリキュラム作成はうたわれていますが、全員に同じカリキュラムが配られたり、実際にはつくられていないといったケースがほとんどです。教えられる側、教える側とで多くの塾や家庭教師を見てきた私が断言できます。
全員に同じカリキュラムだと必要な要素が足りなかったり、もう身についている要素が入っていたりと無駄が生じます。
京学館では生徒1人1人に必ず個別のカリキュラムを作成します!
受験生本人では、なにから手を付ければよいのかを自身で判断することは難しいですから、京学館がこれをサポートします!入塾時の面談で生徒の現状を把握し、目標までのギャップから今何をするべきなのかを見つけます。これをカリキュラムにしていつの時期に何をするべきなのかを明確にするのです。
和医大生が直接指導!
京学館では、現役の和医大生からの直接指導が必ず受けられます!もともと県内出身で学校推薦型選抜から入学した先生のほか、県外出身で一般選抜から合格した先生も在籍しています。様々な生徒への指導経験をもつ多種多様な講師陣が医学部を目指す受験生に、自身の受験生時代の経験や大学の情報などの必ず有益な情報と刺激を与えてくれるはずです。
京学館のコーチング的対話で可能性を最大限に引き出します!
知識を教わる「ティーチング指導」だけでは和医大には受かりません
和医大受験は、科目数が膨大でありその内容も高度であることから、多くの受験生にとって非常に大きな挑戦となります。単に知識を詰め込むティーチング指導では、そのすべてを網羅しきれないため、効率的に学習することは困難です。
和医大合格のために本当に必要なのは「コーチング指導」
受験生に本当に必要な力を身につけてもらうため、われわれはコーチング指導に重点を置いています。コーチング指導の最大の特徴は、目標や目的を明確にすること、また、それらを達成するための行動を徹底的にフォローすることです。受験生が自らの目標を明確にし、それに向かって行動を着実に起こすことで「自分ならできる!」という自己効力感が高まり、自信を持って学習に取り組むことができるようになります。特に医学部受験においては、このような主体的に学べるかどうかが合否を分けることになるでしょう。
講師との信頼関係構築がすべての土台
また、コーチング指導では、定期的なフィードバックを通して、あなたの学習進捗を細かく確認し、進むべき道を一緒に考えます。そのため、生徒と講師の信頼関係の構築が何よりも重要です。あなたが抱える不安や課題を講師と共有し、一緒に解決策を見つけることで、安心して受験勉強に取り組むことができます。特に医学部受験のような長期間にわたる厳しい戦いでは、このような心理的サポートは欠かせません。
コーチング指導は和医大合格に必要不可欠!
このように、コーチングは受験生の主体性を引き出し、生徒が「自分なら必ず和医大に合格できる!」と強く信じて突き進む力を育むことができる最強の指導方法です。われわれの塾では、医学部受験生に対してこのコーチング指導を通じて、確かな自信と力を身に着けてもらうことを目指しています。あなたがお医者さんになって達成したい目的を叶えるため、われわれは全力でサポートいたします。